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author 米 [write]

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残光


ヒス♀シン(第二部中盤~終盤)

温もりが掻き消えてしまう気がした。

オレは得も知れぬ恐怖にらしくもなく戦慄いて、ぼんやりと遠くを見つめていた茶褐色の両目を閉ざすように手を翳して随分と差のある小さな背中を包み込んだ。当然、不意の出来事に顔を上げた奴がどうしたのと甘く囁くからオレはぶっきらぼうにも何でもないとだけ答えて内心こんなの自分でもらしくないのは百も承知だと自嘲した。ただ、今はこの出どころ不明な不安を拭えるのはコイツしかいないのだとだけは理解して、聳え立つ峰に茜色と橙色を溶かして混ぜたような柔らかい残光を残して蔭ってゆく太陽に勝手に目頭が熱くなった。じわりと滲む視界に揺れた涙を抱き寄せた身体には見せないように、嗚咽と共にそっと零した。



(お前があの光に消えてしまうと思ったなど、言える訳もない)
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2009.02.28(Sat)





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