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author 米 [write]

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意地っ張りな指先


(犬村猫主:猫主はツンデレ)

気まぐれなあの子はとっても美人で頭も良くて、けどそれと同じくらいとっても意地っ張り。一度へそを曲げるとなかなか素直になりません。原因も思い出せないくらいほんの些細なことがきっかけで喧嘩をしてしまったわんこのよーすけくんの必死に謝る声にもツンと澄ました顔で耳を貸さずそっぽを向いて、本当は自分だって悪いことも、謝りたい気持ちがあるのだって分かってるのに、それを認めたくない気持ちが小さな胸の中で反発しあってしまうものだから段々ともやもやが溜まって行きました。(ねぇねぇ、こっちを向いてよ)くすん、と大好きなあの子に振り向いてもらえずまだまだお子様なよーすけくんは悲しくて寂しくて、今にも泣きそうに鼻を鳴らしてもう一度呼び掛けます。(ごめんよ、ごめんよ。嫌いにならないで)(…)けれどあの子はずぅっとそっぽを向いたまま。振り向くどころか飼い主のおじさんに付けてもらったお気に入りの赤いリボンの鈴すら鳴らしません。これはどうしたものだろう。本当に嫌われてしまった!よーすけくんはくぅんと一鳴きしてしょんぼり項垂れるともふもふの尻尾をいつもならぶんぶんと
振り乱しているのにそれさえしょんぼりさせて、とぼとぼと大好きなあの子の機嫌が治るまでそっとしとこうと思いました。そんな時。(?)しょんぼりと垂れた尻尾に柔らかくてあったかい何かが触れました。よーすけくんは顔を上げるとそこには相変わらず振り向いたり、鈴を鳴らしたりしてないけれど確かに大好きなあの子の長い長い、ひょろりとした灰色の尻尾が立ち去ろうとした自分の尻尾にくるんと絡んでいるではありませんか。まるで行かないでと言葉に出来ないけれどそう訴えられているようで、あの子のするんと長くて毛並みの綺麗な尻尾が大好きで今までも触らせてとお願いしても頑なに嫌がられていたよーすけくんはとびっくりして、それと同時にすごくすごく、嬉しくて堪りませんでした。(意地っ張りなとこも大好き!)思わず体格差も考えずにわんっと吠えて飛び掛れば、びっくりしたあの子が毛並みと同じ灰色の綺麗な目を目いっぱいに見開いてしゃきん!と鋭い爪を伸ばして反射的に手を前に出しました。(っ痛い!!)(ば、馬鹿!いきなり飛び掛ってくるな!)(…へへ、でも振り向いてくれた!)(…!…本当に馬鹿だな、お前)気まぐれで意地っ張りなあの子と待ち望んだ仲直りが出来て、引っ掻かれた顔は痛いけれどよーすけくんの胸はほかほかと温かくて幸せに満ちていました。

茶色のわんこと、灰色のにゃんこの前途多難な恋の話。
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2008.11.28(Fri)





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